TALK4.

BARハコニト〈バーハコニト〉

 

 

かわいくて、素敵な雰囲気で、近所にあったら通っちゃいそうです。(乃々)

 

ウイスキーの好きな方も、本の好きな方も、両方いらっしゃいます。(高橋)

 

高橋知世(Barハコニトオーナー)

乃々(ウイスキー女子・インスタグラマー)

 

 

 

作りたかったのは「書斎のあるバー」。

 

乃々 (店内の本棚を見ながら)お店にある本は自由に読んでもいいんですか？

 

高橋 はい。貸し出しもしています。

 

乃々 貸し出しもされてるんですね！いいですね。

お店もバーというよりはカフェみたいな感覚で、気軽に入れる雰囲気だなって思いました。

それが第一印象にあって、お店に入っただけでもし近所にあったら通っちゃいそうだなと思うぐらいかわいくて。

素敵ですよね。

 

高橋 ありがとうございます。

初めてお店に来られた方は、まず本が多いので驚かれます(笑)。

この場所はたまたま見つけたんですが、カタチが面白かったんですね。

元々は「書斎のあるバー」にしたかったんです。下の階の部屋を本の部屋にして、上の階をバーにしようと思っていたんですけど欲が出て(笑)。

こういうお店になりました。

 

乃々 本とウイスキーってあまりない組み合わせだったので驚きですよね。

こういうお店って他にないんじゃないかなって思いますし。

 

高橋 名古屋には何軒かありますし、東京、京都や大阪、あと九州にもあります。

 

 

乃々 お店に女性のお客さんが一人で来られることはありますか?

 

高橋 そうですね。お酒の好きな方、本が好きな方、両方いらっしゃいますが、本好きの方が来られることが多いですね。

 

乃々 お店として女性の方が一人で来られる際に、気に掛けていることってありますか?

 

高橋 本とウイスキーって出しているので、男性がやっていると思われることが多いんですね。

 

乃々 うんうん。

 

高橋 なのでお店に入ってきて、女性がやってるんだ(笑)と意外に思われることはあります。

それでも、女性でも入りやすそうだからって入った、って言ってくださるお客様もいますし。

 

乃々 ウイスキーって時間を楽しむお酒だと思っているので、ゆっくりウイスキーに浸りながら本も楽しむというのはいいなって思います。

 

高橋 ありがとうございます。

 

 

「読みたくなる本」と「一生懸命に読まなくてもいい本」のバランス

 

高橋 乃々さんは普段本を読まれますか?

 

乃々 いやぁ(笑)最近読む機会が少なくて。

社会人になって本当に読まなくなっちゃったんです。何か情報を得ようと思うと携帯で済むようになったから。

Kindleは持っているので電子本を読むのもいいけど、本で読むのはそれとはまた違った魅力があるかなって。

 

高橋 本を読みたくて来られている方は、中二階側にある本棚は小説が多いので小説を読まれたりしています。

小説は長編ではなく短編集を基本置いていて、それと歌集ですね。

あとは、出来る限り読みやすい本を選んでいます。

ミステリーだとコナン・ドイルやアガサ・クリスティーとか。

小説のジャンルではホラーが好きですが、それは下の階の部屋に置いてあります。

村上春樹さんの本もありますが、村上春樹さんがウイスキーがお好きなので、本を読む方でウイスキーが好きだったら好きな方多いかなって(笑)。

逆にウイスキーを飲みたくて来た方は、普段あまり本を読まれない方もいらっしゃいますか

ら、カウンターの後ろ側の棚にある本、これは一生懸命読まなくてもいい本なんです(笑)。

写真集や画集、映画や音楽の本など、映画が好きな方、写真や音楽が好きな方もいらっしゃいますから趣味の本を揃えています。

たとえば、「死ぬまでに観たい映画1001本」とか、パッと開いてそのページだけ楽しむことができますから。

あと、元々は食べ物を置くつもりがなかったので、つまみの代わりに料理本を置いています(笑)。

 

 

 

オススメの本と、その本に似合うウイスキー。

 

乃々 オススメの本とかあります?　写真集とかありましたら。

 

高橋 そこに(カウンター後ろの棚を指して)黄色い背表紙の本がありますけど、ウェス・アンダーソンってご存知ですか?

アメリカの映画監督なんですが、その人の映画がすごくかわいくて、映画のセットではなくて、その人の映画に出て来そうな風景を撮影した写真集なんです(注:「ウェス・アンダーソンの風景」)。

 

乃々 (本棚から取り出して中を見ながら)わっ、かわいい!オシャレな本ですね。

こういう気軽に読める本があるのもいいですよね。

 

高橋 本が好きでもお酒が進んで来ちゃうと読めないですからね(笑)。

 

 

乃々 たとえば、この本に合いそうなウイスキーって何でしょう?　難しい質問ですけど。

 

高橋 そうですね….。かわいい風景の写真ですから、甘いものかといいんじゃないでしょうか。「オーヘントッシャン」とか。

 

乃々 カラフルで鮮やかな風景ばかりなので、味とかじゃなくてボトルのイメージで「ブルックラディ」とか合いそう。

本ってけっこう読んでると夢中になっちゃうので、ストレートでゆっくり飲みながら時間を過ごしたいかなって、なんとなく思っています。

あとはシェリー樽のものとかだと変化を楽しめるので、ストレートでじっくり味わいながら、本と一緒にいい時間を過ごせたらいいのかなって思いました。

 

 

高橋 自分の好みだけで言うと、私は度数が高めのウイスキーが好きなので、好きなものを正直にオススメすると度数の高いウイスキーのロックになっちゃうんです。(笑)

だけどウイスキーに飲み慣れない人だとちょっとどうかなと思うので、飲みやすいってわけじゃないけど「アラン」のハイボールとか。ハイボールは苦手という方でも、「アラン」のハイボールは、ハイボールの印象が変わるというぐらい美味しいので、オススメします。

(乃々さんの目の前にハイボールのグラスが置かれる)。

 

 

乃々 いただきます。(一口飲んで)うん、美味しい。普段からハイボールは好きでよく飲みますけど、甘くて柔らかくて、優しい味がします。

お店の雰囲気にピッタリ合いますね。

お店はバーにしては明るいですけど、やっぱり本を読むためですか?

 

 

高橋 最初の頃はもっと暗かったんですが、本が読めないってお客さんから言われて(笑)。

 

乃々 (お店の文庫本サイズのメニューを手に取って)栞になってる!すごいかわいい。

メニューが目次みたいになってるし、感性が素晴らしいですね。

 

高橋 メニューとしては見にくいって言われることもありますから(笑)、そう言っていただけると嬉しいです。

 

乃々 ハコニトさんめっちゃいいです。もし近所にあったら通いたいです(笑)。

改めましてありがとうございました。

 

 

 

本山の交差点を北へ。平和公園に続く猫ヶ洞通りを歩いていくと、信号の手前、フレンチのレストランの上に本とウイスキーの店「BARハコニト」の看板が見えます。

階段を上って3階へ行くと奥にバーカウンターがあり、カウンター越し、オーナーの高橋さんが立つ側にはウイスキーをメインに様々な種類のボトルが整然と並べられています。

そしてお客様が座るカウンターの背景、L字型カウンターの下部、さらに中2階のテーブル席側にも本棚があり、小説(翻訳のミステリ、SF、純文学など)、写真集、映画や音楽、美術などカルチャーに関する本、料理の本、さらにお酒に関する本が棚ごとに分別され収まっています。古今のお酒にまつわる本が充実している中、昭和30年代にサントリー(当時の屋号は寿屋)が発行していたPR誌「洋酒天国」(編集長は開高健と山口瞳)の豆本と月報いう希少本までありました。

「本とウイスキー」がお店のコンセプトで、まさにプライベートライブラリーのような雰囲気のもと、本好きの友人宅にお邪魔しておもてなしを受けているような気分になりました。

 

 

BARハコニト

住所: 〒464-0032 名古屋市千種区猫洞通3-8 猫洞センタービル2階

名古屋市営地下鉄名城線「本山」駅1番出口から徒歩7分

HP: https://www.bar-hakonito.com/

TEL: 052–990-4404

営業時間: 平日/17:00~23:00

土・日/15:00~23:00

水曜・木曜定休

 

 

 

PROFILE

髙橋　知世さん（たかはし　ともよ）

2023年5月、本山猫洞通にOPENした、「本とウイスキー」をコンセプトにしたBARハコニトの店主。

本とウイスキーをこよなく愛し、毎月2回、それぞれテーマが異なる読書会を開催している。

 

インタビュアー

乃々さん（のの）

Instagramを中心に趣味のウイスキーやBAR情報を発信。

社会人1年目からウイスキーにハマり蒸留所の見学など様々な場面で情報を発信している。

乃々さんのInstagramはこちら

 

 

文

山本格司

トマリギ研究所

 

編集

藤田智己

トマリギ研究所