TALK1.

BAR BARNS〈バー バーンズ〉

バーンズさんに来るといつも非日常の体験ができます。(乃々)

お酒と向き合っていただきたいし、その導き手でありたいと思っています。(平井)

平井杜居さん(BARバーンズ オーナーバーテンダー)
乃々さん(ウイスキー女子・インスタグラマー)

オーセンティックなバーとは

乃々 バーンズさんに初めて来たのは2年前だったかな。
ザ・オーセンティックなバーだなって感動した記憶があります。

まさに、私が学生時代に思い描いていたような素敵なバーだったから。

平井 ありがとうございます。光栄です。うちはどういうジャンルのバーかと聞かれたらオーセンティックなバーと答えています。どんなバーが自分の求めるオーセンティックないいバーなんだろうと考えていて、それをカタチにしているのが今のこの店のスタイルだと思っています。

だからオーセンティックなバーと思っていただけるのはとても嬉しいです。

乃々 私はバーンズさんに来るといつも非日常の体験ができると思っています。薄暗い雰囲気で、お酒がたくさんあって、丁寧に接客していただける機会って普段はないですから。

お酒を集中して楽しめるだけじゃなくて、マスターとの会話もすごく好きです。

平井 ありがとうございます。会話や接客を褒めていただけるのはやはりとても嬉しく思います。

お客様との会話において、硬すぎる話し方よりある程度はフランクでフレンドリーでもいいのですが、僕はどこかで一線を引いた方がいいと思っています。

緊張と緩和じゃないですが、いかにお酒に集中して楽しんでいただけるかを考え、どんなお酒をお望みなのか、今日の気分はどうなのか、職務質問みたいに聞くわけじゃなくて(笑)、今日は暑かったですね、じゃあ先ずはさっぱりした物を作りましょうか？とかさらっと導き出すようにしています。

女性一人でも安心してバーに来てもらえるために

平井 当店は老若男女いろいろな方がお見えになりますが、いい意味であまり意識しないようにしています。

ただ、お客様それぞれのご来店の際の状況や状態などをさりげない会話の中で感じ取り、会話のスピードや距離感、間(ま)は意識しています。
区別はもちろんします。おひとりでいらっしゃったら、出来る限り周りには配慮しています。
お客様それぞれのプライベートな時間と空間をお酒と向き合いながら楽しんでいただきたいと思っております。
ですから、例えばカウンター席の隣に座られた第三者のお客様との会話は、カウンター越しに司会進行役のバーテンダーを挟んでの三角形のかたちでの会話、そしてまたお互いに向きを戻してご自身の時間と空間に戻っていただく分には大丈夫ですが、何かをきっかけにずっと隣を向いたまま、話しかけ続ける行為はNGとなり、そこは我々スタッフが(出来る限りスマートに)止めなければなりません。

前もって予約をいただいている場合は隣にリザーブ席を置いて、出来る限り席の間隔をあけるようにしております。

乃々 ….さすがですね。

平井 そういう工夫はしていますが、それを悟られない様に気をつけています。
もちろん周りの方と会話を楽しむバーもありますが、うちはお酒と向き合っていただきたいのと、導き手でありたいと思っています。

こんなウイスキーいかがでしょうか、これはどこそこ産のフルーツですとか、そういう話が我々からの話しであって、バーを楽しんでいただきたい、お酒を、空間をすべての方に楽しんでいただきたいです。

乃々 私も最初にひとりでバーンズさんに来た時は緊張したんですけど、マスターがすごく気を遣っていただいて、ひとりで飲んでいる時に優しく声をかけてくれるので、ひとりで来ても安心できる、オススメのバーです。

私がバーに行く理由は、お酒を楽しむのもそうだけど、マスターと会話するのも好きなところなので、ウイスキーのことはもちろん、いろいろなことを教えてもらったり、話が聞けるのが楽しくて来ているところがあります。
バーンズさんは女性ひとりのお客さんも多いですよね。

平井 そうですね。気にされずに安心して来ていただければうれしいです。

乃々 テイスティング会へ行った際に感じたのですが、バーンズさんの常連さんって、めちゃめちゃいい人が多いですよね。

だから私みたいに何も知らないような若い女がひとりで来ても、すごく優しくしてくれるし。

知識をひけらかしたり押し付けるわけでもなく、ただ優しく見守ってくれる感じなので、そこがバーンズさんの居心地の良いところだと思います。

平井 ありがとうございます。皆様のご協力のおかげでございます。

乃々 (笑)。

平井 ご協力といいますか、ほとんどの常連様は当店にふさわしくないことはされないので本当に有難いです。

オーセンティックバーでお酒を楽しんでいただくには単純な話しなのですが、飲み過ぎない、周りに迷惑をかけない、批判、悪口を言わない書かないと、シラフでは当たり前のことでしょと思われますが、こういったことをきちんと守っていただけるととても嬉しいです。

それから、もちろん2人でお見えになったら2人で楽しめる空間ですし、4人で見えれば4人で楽しめますが、ひとりでも楽しめる空間を作りたいんです。

男女問わずですが女性がおひとりでいらっしゃった場合は、ガードもしますが、お酒に集中していただけるように務めるのが、我々の仕事だと思っています。

バーンズで飲むオススメのウイスキーは

乃々 ウイスキーだと、このお店でウイスキーフープのアードベッグの18年を飲んだのがとても衝撃的でした。

こんなにフルーティーなアードベッグがあるんだって。

私の好みを聞いていただいて、好みにバッチリ合ったので感動しました。

平井 好みを仰っていただけるってすごくうれしいです。

好みがわからないという方もいらっしゃいますので、そういう方には身近なものから入っていったり、普段飲まれているのは何かを伺ったり、ましてやウイスキーをまったく飲んだことのない方もいらっしゃいますから、どういう状態でお店に来ていただいているのか伺いながら、どんなお酒をお出しするか決めています。
乃々さんのようにいろいろ飲まれていて、ウイスキーがお好きな方は、こんな感じというのをお伝えいただけると、僕たちにはわかりやすいですし、オーダーを伺うことができます。
緊張させすぎないように柔らかく、楽しんでいただきながら勧めるのも仕事ですから。

（左：イチローズモルト 秩父 9年 2013-2022 BAR BARNS 20周年記念ボトル　中央：グレンバーギー27年 55.6%ウイスキーファインド20th Anniversary of BAR BARNS　右：SMWS（ザ・スコッチモルト・ウイスキー・ソサエティ）55.86　BAR　BARNS21周年記念ボトル）

乃々 女性にもオススメしたいウイスキーだと、ウイスキーファインドのグレンバーギー27年(ウイスキーファインドとバーンズのコラボボトル)が好きです。

イベントで何度か飲んでいて、地元の静岡でも入れてるバーがあるので美味しくて2回ぐらい飲んでいました。

平井 では、ハーフで入れさせていただきます(グラスにグレンバーギーを注ぐ)。

乃々 わぁ、うれしい。ありがとうございます。(ひと口飲んで)。すごくいい香り。

とてもフルーティーな香りで、華やかなマスカットを感じるところが好きです。

平井 「フレーバーラベル」として発売したので、乃々さんのようにいろいろ感じ取って記事にも上げていらっしゃる方はすごくありがたいですし、こんな香りがするんじゃないでしょうか、というテイスティングコメントをラベルに描いていただいてますので、ウイスキーを多少ストレートで飲めるようになってきたら、そのフレーバーを探して感じ取っていただけたら幸いです。

乃々 ラベルを見ながら、ああこの香りがある、この香りもあるって試せるのが楽しいですね。

ありがとうございました。

1回目は「BAR　BARNS」平井氏にご登場していただきました。地下鉄伏見駅を出て広小路通を栄方面へ向い徒歩で約3分、伏見のビジネス街の一角の地下にあり、静かにジャズボーカルが流れる店内は格式がありながら、どこか温かみを感じさせる落ち着いた雰囲気に包まれています。

こだわりを持った名店であるものの決して敷居は高くなく、女性がひとりで入っても、リラックスして、安心してお酒を、空間を楽しんでいただけるよう、きめ細かやかに配慮している懐の深さも、お店の大きな魅力です。

国産を含む世界の様々な産地のウイスキーが並べられ、ウイスキーに詳しくなくても、こんな感じの、と伝えれば、お好みのテイストを選んでくれます。

推しのウイスキーが見つかるかもしれませんよ。
(事前に予約を入れるのをおススメします)

BAR BARNS
住所:〒460-0008 名古屋市中区栄2-3-32 アマノビルB1
地下鉄東山線・鶴舞線「伏見」駅4番出口徒歩3分
地下鉄東山線・名城線「栄」駅徒歩10分
TEL : 052-203-1114
HP:https://bar-barns.jp
営業時間:火~金 17:00~23:30(L.O.23:00)
土15:00~23:00(L.O.22:30)
日、祝15:00~22:30(L.O.22:00)
月、第2火定休
チャージ:1,300円(オードブル+ナッツ類付:税込)
座席:16席(1グループ4名様まで)

PROFILE
平井杜居さん（ひらい とおる）
「BAR BARNS」オーナーバーテンダー。

名古屋の老舗のBARでの修行を経て2002年3月、自身の店を開店する。

インタビュアー
乃々さん（のの）
Instagramを中心に趣味のウイスキーやBAR情報を発信。
社会人1年目からウイスキーにハマり蒸留所の見学など様々な場面で情報を発信している。
乃々さんのInstagramはこちら

文

山本格司

トマリギ研究所

編集

藤田智己

トマリギ研究所